記憶整理帖

記憶を整理します

#2 PLAN75

思い出せるうちに書いておこう。

 

雨の水曜日に新宿ピカデリーで「PLAN 75」。

カンヌの「ある視点」部門に選ばれる作品は、結構見た気がするんだけど、見たことを少し後悔するくらい重い石を渡されてしまった気がする。

それぞれの登場人物が徐々に一つの目的地に向かってつながっていくのは、予想通りではあるけど、各人の背負っているシチュエーションや社会的立場が、それぞれ理解できて、苦しかった。

高齢化社会が行き着く先に、もしかしたらこういうことも可能性としてはあるのかもしれないと思わせる感じだったなぁ、全然フィクションに思えなかった。

安楽死の議論とか、年金の問題とか、みんなどう考えてるの。

PLAN 75という制度は、かなり乱暴なやり方だし、障がい者施設で起きた事件を思い起こさせるような倫理観を感じてツラかったけど、高齢者の人たちが仕方なく、その制度に申し込むしかないってくらい追い込まれてく現実。

自分だって歳をとるんだから、今は支える立場だけど、いつか立場が逆転するわけだし。

倍賞千恵子さんが「お孫さんのベビーシッターをやらせてもらえないかしら?」ってお友達に電話をかけるシーンが、すごく、ツラかった。

全然他人事とは思えないんだよね。

当日の映画館には、いろんな年代の方が見てたけど、みんなどんなふうに受け取ったのかなぁ…感想聞いてみたい。

 

 

それにしても、磯村くんが好演でした。

「何食べ」のジルベール、「サ道」の蒸し男くんを見ててもイイ俳優さんだと思ってたけど(もちろん、「ひよっこ」も見てた)すごく自然体で良きでした。