2023年の、よんだもの
目標は35冊にしたのだけど(1ヶ月3冊目標)、1冊及ばず…。
くどうれいんさんの作品との出会いはかなり大きかった。さすがは言葉を扱うプロ、そのセンスが本当に素晴らしいし、「うたうおばけ」の”きぼう”のエピソードはキュンの塊。そして、そのエピソードから繋がるように、ご結婚されて友人のように勝手にお祝いした。新刊のサイン会にも行きたかったけど、タイミング合わず残念でした。
それから、今の年頃になって読む江國香織さんの素晴らしさも発見の一つ。自分の中に眠っていた何かが呼び覚まされる感じがして、感性が潤った。
てなわけで、以下の34冊。
- 山崎ナオコーラ: 論理と感性は相反しない
- 小川洋子: 遠慮深いうたた寝
- 吉本ばなな: 私と街たち(ほぼ自伝)
- 伊坂幸太郎: クジラアタマの王様
- 松浦弥太郎: 「自分らしさ」はいらない
- 沼野雄司: 現代音楽史 闘争しつづける芸術のゆくえ
- 堀江昭佳: 血流がすべて整う食べ方
- 鈍感な世界に生きる敏感な人たち
- くどうれいん: 虎のたましい人魚の涙
- 酒井隆史: ブルシットジョブの謎 クソどうでもいい仕事はなぜ増えるか
- くどうれいん: うたうおばけ
- カズオ・イシグロ: わたしを離さないで
- 工藤玲音: 水中で口笛
- 津村記久子: つまらない住宅地のすべて
- 田坂広志: 死は存在しない
- 木下龍也: あなたのための短歌集
- 下地寛也: 考える人のメモ技術
- 江國香織: きらきらひかる
- 庭園美術館へようこそ 旧朝香宮邸をめぐる6つの物語
- 伊藤亜沙: 感性でよむ西洋美術
- 江國香織: ぬるい眠り
- 鈴木みき: マウンテン ガールズ フォーエバー
- 群ようこ: たりる生活
- 岡本亮輔: 宗教と日本人
- 吉本ばなな: 吉本ばななが友だちの悩みについてこたえる
- 島本理生: ファーストラヴ
- 梶谷いこ: 恥ずかしい料理
- 考えるOL: がんばらないことをがんばるって決めた。
- 吉田類の愛する低山30
- J.R.ヒメネス(波多野睦美=訳)プラテーロとわたし
- 向田邦子: 阿修羅のごとく
- 僕の姉ちゃん的生活 明日は明日の甘いもの
- 滝口悠生: 茄子の輝き
- 嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え
大変な年の初めになったけれど、自分にできることを考え、そのための知識や思考をたくわえていきたい。そう思います。
2022年の、よんだもの
およよよ。いつの間にか、存在を忘れていた。
今年もあと2か月というところで、2022年によんだものの記録。
50冊目標は今年も達成できず。
- 瀬戸佳子: 1週間で必ず体がラクになるお手軽気血ごはん
- パク・ミンギュ: カステラ
- 石井遼介: 心理的安全性のつくりかた
- 鈴木有紀: 教えない授業―美術館発、「正解のない問い」に挑む力の育て方
- なち: ひっそり暮らし
- 坂口恭平: 躁鬱大学
- イム・ジーナ: モノから学びます
- 中島岳志: 自分ごとの政治学
- 佐々木典士: ぼくたちに、もうモノは必要ない。
- 堀江昭佳: 血流がすべて解決する
- ウーウェン: 料理の意味とその手立て
- 山内マリコ: ここは退屈迎えに来て
- 宮川彬良: 「アキラさん」は音楽を楽しむ天才
- 朝吹真理子: だいちょうことばめぐり
- 松原正樹: 心配事がスッと消える禅の習慣
- 細川貂々: やっぱり、それでいい。人の話を聞くストレスが自分の癒しに変わる方法
- 本田真美: 医師のつくった「頭のよさ」テスト
- 福田里香: 民芸お菓子
- はらだ有彩: ダメじゃないんじゃないんじゃない
- 井上荒野: あちらにいる鬼
- 稲田豊史: 映画を早送りで観る人たち
- 水町勇一郎: 労働法入門新版
- 寺山修司: 青い種子は太陽のなかにある
- 本多さおり: 暮らしをそのままの自分に寄せて
- 安田浩一: 「右翼」の戦後史
- ドミニック・ローホー: シンプルに暮らす
- キム・ハナ&ファン・ソヌ: 女ふたり、暮らしています。
- 益田ミリ: 僕の姉ちゃん
- クルベウ: 大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした
#4 わたしは最悪。
ずっと気になってたが、休みとサービスデーが合わず、ようやく。
スーさんのコメントやクチコミ読んで、期待を高めて渋谷へ。
いや〜〜〜〜〜〜〜、刺さるというのは違って、なんかもうこの世代の悩みは世界共通なんだなと納得。
やりたいことがわからない。(今の仕事を一生続けて行くのか)
結婚するのかしないのか。(結婚に向いているのか)
子どもを産むのか産まないのか。(子どもが好きなのかどうか)
女性の永遠の命題がフルラインナップで描写されていく。
そして、別れのタイミング=恋人を見下してしまう(見下される)、それに気づいたらその恋愛は終わりだと思ってきたけど、やっぱりみんなそうだよね。
リスペクトなしに、関係性が続くとは思えないんだよな…。
アクセルと別れ話してて、途中でセックスするっていうのが、あまりにもリアルすぎてちょっと笑ってしまったけど。
「地に足がついた生活をしたい」っていうのがわかりすぎたし、「自然体でいられる人」っていうのも共感するし、でも結局自分がどうしたいかなんだよね。
自分が脇役になってしまう人生は本当にやめたい。
そして全てはタイミングなんだ。
もうこれはどうしようもない、自分でどうにもできない。
でもやっぱり、偶然というオブラートに包まれた必然っていうのを信じたい。
そして、エンディングのアート・ガーファンクル&アントニオ・カルロス・ジョビンにすべてもっていかれた。
ステキすぎる。ちょっと前向きになれるエンディングでした。
帰りにミッケラーでセッションIPAを一気飲みしてから駅へ。
私は偶然の可能性を信じる。
#3 岩波ホール
三連休の予定を何も立ててなくて、どうしようかなぁ〜と思っていたら、そういえば、岩波ホールが今月29日に閉館してしまうことを思い出し、訪問することに。
建物に漂う無機質な雰囲気と、その堅強さがすごく懐かしくて落ち着く。
こんな良い雰囲気だったなんて…もっと早く来ればよかった、と思うも、時すでに遅し。
あんなに神保町に通ってたこともあったのに、最初で最後の訪問になるなんて。
流れていた映画は「歩いて見た世界 ブルース・チャトウィンの足跡」。
無勉強だったから、いろんな文脈がわからない部分もあったけど、結構おもしろかった。
人間は定住するようになってからおかしくなったっていうような彼の言葉がすごく印象的だった。
それから、結婚後、チャトウィン夫人以外にも関係を持っていた人がいたという点。
明確に言及されていなかったけど(おそらく男性なんだろう)、それについて夫人は「全く気にしなかった」と言っていて、単純にすごいなと思った。
私と彼の関係は変わらない、自分との関係が変わらないのであれば、何しても構わないっていう考え方、結構説得力あって納得。
自分との関係に支障がない(何も変わらない)のであれば、別に誰と関係してようが許せるのかもしれない。
帰りは、渋谷のミッケラーで一杯飲んで帰ろうかと思ったけど、人が多くて羽當へ。
今日のカップはwedgwoodのCuckooだった、ステキ。
夕方に濃いコーヒー飲んだせいで、23時すぎにハイになり、プレイリストかけて歌い踊り狂った。
#2 PLAN75
思い出せるうちに書いておこう。
雨の水曜日に新宿ピカデリーで「PLAN 75」。
カンヌの「ある視点」部門に選ばれる作品は、結構見た気がするんだけど、見たことを少し後悔するくらい重い石を渡されてしまった気がする。
それぞれの登場人物が徐々に一つの目的地に向かってつながっていくのは、予想通りではあるけど、各人の背負っているシチュエーションや社会的立場が、それぞれ理解できて、苦しかった。
超高齢化社会が行き着く先に、もしかしたらこういうことも可能性としてはあるのかもしれないと思わせる感じだったなぁ、全然フィクションに思えなかった。
安楽死の議論とか、年金の問題とか、みんなどう考えてるの。
PLAN 75という制度は、かなり乱暴なやり方だし、障がい者施設で起きた事件を思い起こさせるような倫理観を感じてツラかったけど、高齢者の人たちが仕方なく、その制度に申し込むしかないってくらい追い込まれてく現実。
自分だって歳をとるんだから、今は支える立場だけど、いつか立場が逆転するわけだし。
倍賞千恵子さんが「お孫さんのベビーシッターをやらせてもらえないかしら?」ってお友達に電話をかけるシーンが、すごく、ツラかった。
全然他人事とは思えないんだよね。
当日の映画館には、いろんな年代の方が見てたけど、みんなどんなふうに受け取ったのかなぁ…感想聞いてみたい。
それにしても、磯村くんが好演でした。
「何食べ」のジルベール、「サ道」の蒸し男くんを見ててもイイ俳優さんだと思ってたけど(もちろん、「ひよっこ」も見てた)すごく自然体で良きでした。